【kakei+通信Vol.132】 資産運用、家計簿にどこまで記帳する?
2024/06/07 (Fri) 20:00
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【kakei+通信Vol.132】資産運用、家計簿にどこまで記帳する?
クラウド家計簿 kakei+をご利用中のみなさん、こんにちは!
6月10日は「時の記念日」。時間の大切さについて、家族や周りの人と考えてみましょう。朝起きる時刻、夜に寝る時刻は決まっていますか? 朝食や夕食は何時でしょう? 1日の中で起床、就寝、食事が定まると、生活にリズムができます。時間を意識して、健康的な生活をしたいですね!
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資産運用、家計簿にどこまで記帳する?
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【kakei+通信Vol.130】で投資信託の具体的な記帳方法について取り上げましたが、評価額が変動する資産運用を家計簿にどこまで記帳するのか、実際に、みなさんがどのように記帳しているのかと、アンケートを実施しました。
今回はその結果から、資産運用を家計簿にどこまで記帳するかを考えます。資産運用の目的や運用スタイルは人それぞれです。ご自身にあった家計簿記帳スタイルを見つけてください。
(アンケート回答期間:2024年5月10日~5月 30日 回答103人)
投資をしていますか?
回答者は103人。「現在、投資をしていますか?」の問に「はい」と答えた人は83%。「いいえ」と答えた人には、「したことがない」に加えて「現在はしていない」という投資経験者もふくみます。「(自分以外の)家族がしている」は9%でした
投資歴はどれくらいですか?
投資の経験について聞いたところ、「1~5年」が28%と一番多く、ついで「6~10年」が19%です。NISA制度が始まった2014年以降に始めた人が回答者の半数を占めました。
自由回答を見てみると、投資の内容は「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「NISAで投資信託を積み立てている」「会社の持ち株会」「債券」「株式」「ポイント投資」「遺産相続で」など、多岐にわたります。
回答者の年代は?
年代は、グラフのように幅広いです。年代と投資歴が比例するわけでもなく、投資歴が5年以内の人(「1年未満」「1~5年」の回答者)は40代~70代と高年層にも歴が浅い人がいます。投資歴が21年以上の人(「21~25年」「25年以上」の回答者)は、40代~80代以上です。
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投資といっても、内容は様々ですが、家計簿に記帳するとしたら、お金が動いたときです。そこで、お金が動くタイミングを大きく3つにわけて聞きました。
(「投資をしていない」人は除いてグラフにしています)
配当金・分配金を記帳していますか?
投資によって得た配当・分配金は、証券会社の口座や銀行口座に振り込まれるのが一般的です。投資信託では再投資といって、分配金をふたたびその投資信託に投資する場合もあります。
「全て記帳している」26%、「一部を記帳している」33%で、記帳している人は合わせると59%です。
「記帳していない」には、分配金が出ない投資信託の積み立てのみの人をふくみます。
全て記帳している人 26%
「配当金は雑収入で予算立てをし、記帳している。株主優待で食事券や割引券を使った時も記帳して、配当以外もどのくらいあるかを確認している」
「年金生活にそなえて配当金狙いで株式購入。実際、年金になった今は少ない配当額でも助かっている。予算の段階で収入として予算に入れている。」
「配当が振り込まれると証券会社からメールで届くので、届いた日にkakei+に記帳。企業名などをメールから備考欄にコピペする」
一部を記帳している 33%
「配当金を生活費に使う時には、家計簿に記帳する」
「証券口座、積立口座をそれぞれ作っているので利息も入力でき おおよその資産が把握できている。kakei+になって手書きの家計簿では難しかったことができていて助かっている」
「以前は配当金を家計の口座で受け取っていたので書いていましたが、証券口座に入金になってからはまめに記帳していません」
記帳していない 33%
「投資信託は分配金も再投資されるので記帳していない。株式と債券の配当金は証券口座に入りますが、証券会社のHPで金額を確認するくらいです」
「記帳法について悩んでいて未記帳のまま」
「つみたてNISAを毎月繰り返し設定で記帳しているほかは、分配金もなく特に何も記帳していません」
「配当金は夫とわけて、お互いの小遣いにし、家計簿には記帳しない。家計とは別会計」
投資の売買を記帳していますか?
株式や債券、投資信託を購入・売却したときに家計簿に記帳しているかを聞いたところ、「全て記帳している」21%、「一部を記帳している」36%、「記帳していない」38%という結果に。配当・分配金を記帳している人よりも「一部を記帳している」「記帳していない」の率が増えました。
全て記帳している 21%
「購入時、売却時、配当金受け取り時にkakei+に記帳。決まった金額の毎月の購入には繰り返し設定を利用。費目:投資にも予算額を入れている。評価額は口座に反映させていない」
「証券会社の口座を2つ作り、その中で売買を記帳している。kakei+は投資の予算管理もできるのがいい。銀行から証券会社にお金を移した時は「口座の動き」で記帳」
「老後の資金として、夫が投資している金額を私がkakei+に記帳。繰り返し設定と予算、項目を活用している」
「iDeCoの口座を作り、資金の移動として処理。長期運用のため、利益が確定した時点で利益分を収入として処理する予定」
一部を記帳している 36%
「積立金を把握するために、毎月の積立額と半年に一度の利息を記帳しています。株式口座は変動も多いので、家計簿上では把握していません」
「ポイント運用も活用していますが、ポイントを利用する際と同じように収入として記帳してから費目:投資で記帳するようにしています」
「会社の持株や積立NISAは毎月の出資なので繰り返し設定をしている。PayPayポイントは投資型にしているが放ったらかしにしていて、家計簿には反映しない。いずれも売却するときがきたら損益を雑収入で記帳するつもり」
「我が家のお金として、なるべく記帳するようにしています。毎月預貯金から引き出されるものについては繰り返し設定にして、通帳と一致、目に見えるようにしています。投資口座の動きまで入れようとすると日々の記帳が大変になるため、預貯金から動かした額で記帳をしています。投資口座に関してはインターネットで確認して把握するようにしています。長い目で見ての投資をしているので、売却する時が来たら増加分を収入として記帳予定です」
「配当金は生活費に充てているので記帳するが、売買までは記帳していない。家のリフォームのため株を売ったときには記帳した」
「kakei+通信にあったように、家計簿は家計を管理するものと考えています。家計から投資用にお金を出金したときは費目:投資として投資窓口の銀行の口座に移したと記帳します。配当金などは投資窓口の銀行内のことなので、家計には入れていません。投資は家計とは別に、余裕資金でやるべきと考えています」
記帳していない 38%
「配当や分配金は記帳するが、売買は証券会社の口座で管理している」
「資産運用と日々の収入と支出は切り離して考えているので家計簿には記帳していない。運用実績は証券会社の口座で確認する」
「資産運用は別のノートを作っている。余裕資金で少額しているので家計とは別会計」
「少額のポイント投資なので、家計とは別の“オマケ、お楽しみ”。もし、利益が出たら、それを使う時に家計簿に収入としていれるつもりです」
「私の個人的な資産、へそくりでの運用なので、家計簿に記帳する気は無い」
「すべての口座をkakei+に登録していないから、kakei+に登録した(夫の)口座に投資関係の入出金があった場合のみ記帳しているが、いまひとつすっきりしない。夫は「投資はないものとして考えていいから(小遣いとして扱うので職業費)」と言うけれど…」
投資による損益を記帳していますか?
株式や債券、投資信託を売却すると、利益(損)が確定します。利益が出たときは売却益、損が出たときには売却損と呼びます。
売却による損益については、 「全て記帳している」14%、「一部を記帳している」21%、「記帳していない」56%という結果に。損益の記帳となると、「記帳していない」の率が増えました。
全て記帳している 14%
「売却したとき、利益確定の通知ハガキが届いたら、運用益は収入に計上する。投資元本の払戻分は口座移動で計上する」
「銀行口座から出し入れしているので、通帳と合わせたほうがスッキリする」
一部を記帳している 21%
「変動する資産は記帳せず、kakei+の口座も資産の変動の記録はしません。売買記録はExcelに記録し、配当と売買損益の1年分を12月31日にkakei+にまとめて記帳しています」
「売った金額の多い時は、家計簿に記帳する」
記帳していない 56%
「投資専用のノートに記帳して、家計には記帳しない」
「家計簿を付けるようになって日が浅く、記帳しているところとないところがあります」
「額が大きくなるので、純生活費が隠れてしまいそうで記帳はしないつもりです」
「今まで評価額に変動があったら月1回くらいで残高調整していました。でも、先日のkakei+通信を読んで、売却前なので収入ではないことに気がつきました」
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評価額が変動する資産について、どのように管理していますか?
投資による資産運用は、評価額が変動するものがあります。管理方法について、自由記述で聞きました。( )内は、投資歴です。
アプリやインターネット、報告書を活用
「証券会社のwebサイトでグラフや金額を確認している。(歴1~5年)」
「証券会社のアプリと配当管理アプリを使っている(歴11~15年)
「Yahoo!ファイナンスで自分のポートフォリオを作成(歴16~20年)」
「インターネットや銀行のアプリで増減を週一程度で確認するくらい。特に管理はしていません(歴1~5年)
「3カ月に一度、証券会社から届く報告書をよく読むようにしている(歴16~20年)」
Excelやノートを自分で作成
「家計簿とは別に、毎月末日の残高をExcelで管理している(歴16~20年)」
「以前、婦人之友に掲載されていた資産管理表をExcelで作成して、半年に一度くらい見直している(歴11~15年)」
「2003年より、資産管理表に記載している(歴11~15年)」
* 『婦人之友』2003年12月号の家計特集で「資産管理表」を紹介しています。
「夫は自分の資産をExcelの表にまとめています。私は、投資状況をプリントアウトして、お互いに見合っています(投資歴16~20年)」
「毎月、保有資産をノートで振り返り、積立投資信託の時価を記入している(歴16~20年)」
「証券会社からの報告書が届いたときノートに 書き込んでいる(歴16~20年)」
評価額との付き合い方は?
「売買しないものは損益がないので記帳しない。変動の様子は確認しています。(歴25年以上)」
「長期運用目的で保有しているため、証券会社のアプリやサイトでたまにチェックする程度。評価額も特に管理していない(歴6~10年)」
「評価額はあくまでその時の評価でしかないので、売買で損益が確定した時に紙の家計簿に残したり、証券会社から送られてきた書類を残す程度です(歴25年以上)」
「投信も株式も買った時の金額だけ把握しています。金額の変動を知りたければその株式や投信のチャートを見ればいい。(歴21~25年)」
「この方法が正しいかどうかはわかりませんが、私は含み益を含めて全体の資産状態がわかるようにしたくて、何日かごと(もしくは毎日)に証券会社のアプリでわかる現在の投資の金額を、収入・支出ではなく口座の『残高調整』でkakei+に入れています。これで含み益を含む全体の資産状態に加えて現預金額と投資額のバランスも把握する事が出来て、状況によってはリバランスをするつもりです(歴6~10年)」
「家計と投資は別管理。株式の配当金については、現役時代のボーナス感覚で家計簿に雑収入で計上している。投資は安全性を気に留めつつも日々は気にしません。毎年、年末に家計簿口座と投資口座一覧表をExcelで作成して総合計での資産の推移を把握します。投資は過去に失敗(損)もありますが貯蓄だけでは不可能な資産となり老後の安心感です。
ただし、日々は、家計簿に1円も間違いなく記帳しながら、地道に暮らしています。投資で値動きを追える知識や能力はありません。素人で安全だろうと思えるものを選んでほったらかしです。もちろんそう思えない時は処分します(歴25年以上)」
まとめ
今回のアンケートは、たくさんの人がご自身の実践を詳しく書いてくださいました。盛り沢山の内容をここまで読んでいただき、ありがとうございます。
アンケートをまとめてみて、資産運用を家計簿に「全てを記帳する派」「証券会社内で完結させて記帳しない派」、その中間の「家計に関係する時だけ記帳派」とありました。投資歴が長くなるほど、上手に家計と資産運用の線引きをして、記帳方法も確立されているようです。
気になったのは「利益が出たときに収入で計上し、損がでたときに支出に計上している」という人が数人いらっしゃいました。売却益(損)は雑収入で記帳し、利益と損を同じ費目内で差引きする記帳方法が基本的な考えです。
【kakei+通信Vol.130】でも書きましたように、家計簿は、家計を健全に運営するためのもので、収入と日々の支出を記帳すること、予算と照らし合わせて、翌日、翌月のお金の使い方の方針を見定めることが大切です。kakei+は口座の出入りを全て記帳しないと残高が合わなくなるため、家計の口座から積み立てるときなどに投資の記帳をせざるを得ないこともあります。積み立て先の口座の残高は、実際の評価額と合わなくても気にしない、評価額は証券会社の方で確認するなど、どこかで割り切る必要もあります。資産運用の管理については、ご自身がスッキリする記帳方法を、今回紹介した中から見つけていただけたら幸いです。
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「note」最新記事から
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■週末まとめ買い派も、毎日買い物派も、食費は日割り予算がおすすめ
https://note.com/kakei_plus/n/n9915fcf19f00
食料品を買いに行く時、予算を意識していますか? 週末にまとめ買いをする人、生協の宅配を利用している人、毎日お店に買いに行く人…などなど、買い物の仕方も十人十色かと思います。どんな人でも食費の予算管理をしやすいのは、実は、日割りの予算です。
■暮らしの見える化が得意な家計簿があるって本当?
https://note.com/kakei_plus/n/n300bf6821081
家計簿をつけるのは面倒くさい、ですよね。「費目分けが多いと大変」「ざっくり把握できればいい」そういう考えがあるのもわかります。家計簿をこれからはじめる人、はじめたばかりの人は記帳の習慣化と収支の把握が目先の目標ですから、「ざっくり」も全然OK。その2つが達成できた人は、これこそが家計簿の醍醐味ともいえる暮らしの見える化へと、ステップアップしませんか?
■『家計簿』と一緒に、この家事帳はぜひとも主婦の机上にはなくてならないものです
https://note.com/kakei_plus/n/nc5161c3cb10e
NHKの朝ドラ「虎に翼」、4月30日(火)の放送では、母・はるが30年間つけ続けてきた日記が決定打となって、贈収賄の疑いで逮捕されている父・直言の冤罪の可能性が浮き彫りに。画面でアップになった日記は、羽仁もと子が1907年に創案した『主婦日記』とそっくり・・・!? その日の献立や家族の様子をこまめに記録した主婦の日記をあなどるなかれ。婦人之友社から今も100年を超えて発刊しつづけている『主婦日記』や『家計簿』の記録が家族を救った話は数えきれないほどあります。
■上手につきあいたい「電子マネー」
https://note.com/kakei_plus/n/n92a664486ca6
最近、スーパーやチェーン店で独自の電子マネーの利用を勧められる機会が増えています。SuicaやICOCAなどの交通系電子マネーや、楽天Edy、WAON、nanacoなどのお馴染みの電子マネーは幅広く利用可能な「共通型」なのに対して、限られた店舗のみで使える電子マネーは「ハウス型」と呼ばれます。
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自分で食べたいものができた。その楽しさを一度味わえば、料理へのハードルはぐんと下がります。子どもがつくるとき、大人は少しのサポートだけで、あとは自由な発想にお任せ。どんな“おやつ”になるでしょうか。
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資産運用、家計簿にどこまで記帳する?
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【kakei+通信Vol.130】で投資信託の具体的な記帳方法について取り上げましたが、評価額が変動する資産運用を家計簿にどこまで記帳するのか、実際に、みなさんがどのように記帳しているのかと、アンケートを実施しました。
今回はその結果から、資産運用を家計簿にどこまで記帳するかを考えます。資産運用の目的や運用スタイルは人それぞれです。ご自身にあった家計簿記帳スタイルを見つけてください。
(アンケート回答期間:2024年5月10日~5月 30日 回答103人)
投資をしていますか?
回答者は103人。「現在、投資をしていますか?」の問に「はい」と答えた人は83%。「いいえ」と答えた人には、「したことがない」に加えて「現在はしていない」という投資経験者もふくみます。「(自分以外の)家族がしている」は9%でした
投資歴はどれくらいですか?
投資の経験について聞いたところ、「1~5年」が28%と一番多く、ついで「6~10年」が19%です。NISA制度が始まった2014年以降に始めた人が回答者の半数を占めました。
自由回答を見てみると、投資の内容は「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「NISAで投資信託を積み立てている」「会社の持ち株会」「債券」「株式」「ポイント投資」「遺産相続で」など、多岐にわたります。
回答者の年代は?
年代は、グラフのように幅広いです。年代と投資歴が比例するわけでもなく、投資歴が5年以内の人(「1年未満」「1~5年」の回答者)は40代~70代と高年層にも歴が浅い人がいます。投資歴が21年以上の人(「21~25年」「25年以上」の回答者)は、40代~80代以上です。
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投資といっても、内容は様々ですが、家計簿に記帳するとしたら、お金が動いたときです。そこで、お金が動くタイミングを大きく3つにわけて聞きました。
(「投資をしていない」人は除いてグラフにしています)
配当金・分配金を記帳していますか?
投資によって得た配当・分配金は、証券会社の口座や銀行口座に振り込まれるのが一般的です。投資信託では再投資といって、分配金をふたたびその投資信託に投資する場合もあります。
「全て記帳している」26%、「一部を記帳している」33%で、記帳している人は合わせると59%です。
「記帳していない」には、分配金が出ない投資信託の積み立てのみの人をふくみます。
全て記帳している人 26%
「配当金は雑収入で予算立てをし、記帳している。株主優待で食事券や割引券を使った時も記帳して、配当以外もどのくらいあるかを確認している」
「年金生活にそなえて配当金狙いで株式購入。実際、年金になった今は少ない配当額でも助かっている。予算の段階で収入として予算に入れている。」
「配当が振り込まれると証券会社からメールで届くので、届いた日にkakei+に記帳。企業名などをメールから備考欄にコピペする」
一部を記帳している 33%
「配当金を生活費に使う時には、家計簿に記帳する」
「証券口座、積立口座をそれぞれ作っているので利息も入力でき おおよその資産が把握できている。kakei+になって手書きの家計簿では難しかったことができていて助かっている」
「以前は配当金を家計の口座で受け取っていたので書いていましたが、証券口座に入金になってからはまめに記帳していません」
記帳していない 33%
「投資信託は分配金も再投資されるので記帳していない。株式と債券の配当金は証券口座に入りますが、証券会社のHPで金額を確認するくらいです」
「記帳法について悩んでいて未記帳のまま」
「つみたてNISAを毎月繰り返し設定で記帳しているほかは、分配金もなく特に何も記帳していません」
「配当金は夫とわけて、お互いの小遣いにし、家計簿には記帳しない。家計とは別会計」
投資の売買を記帳していますか?
株式や債券、投資信託を購入・売却したときに家計簿に記帳しているかを聞いたところ、「全て記帳している」21%、「一部を記帳している」36%、「記帳していない」38%という結果に。配当・分配金を記帳している人よりも「一部を記帳している」「記帳していない」の率が増えました。
全て記帳している 21%
「購入時、売却時、配当金受け取り時にkakei+に記帳。決まった金額の毎月の購入には繰り返し設定を利用。費目:投資にも予算額を入れている。評価額は口座に反映させていない」
「証券会社の口座を2つ作り、その中で売買を記帳している。kakei+は投資の予算管理もできるのがいい。銀行から証券会社にお金を移した時は「口座の動き」で記帳」
「老後の資金として、夫が投資している金額を私がkakei+に記帳。繰り返し設定と予算、項目を活用している」
「iDeCoの口座を作り、資金の移動として処理。長期運用のため、利益が確定した時点で利益分を収入として処理する予定」
一部を記帳している 36%
「積立金を把握するために、毎月の積立額と半年に一度の利息を記帳しています。株式口座は変動も多いので、家計簿上では把握していません」
「ポイント運用も活用していますが、ポイントを利用する際と同じように収入として記帳してから費目:投資で記帳するようにしています」
「会社の持株や積立NISAは毎月の出資なので繰り返し設定をしている。PayPayポイントは投資型にしているが放ったらかしにしていて、家計簿には反映しない。いずれも売却するときがきたら損益を雑収入で記帳するつもり」
「我が家のお金として、なるべく記帳するようにしています。毎月預貯金から引き出されるものについては繰り返し設定にして、通帳と一致、目に見えるようにしています。投資口座の動きまで入れようとすると日々の記帳が大変になるため、預貯金から動かした額で記帳をしています。投資口座に関してはインターネットで確認して把握するようにしています。長い目で見ての投資をしているので、売却する時が来たら増加分を収入として記帳予定です」
「配当金は生活費に充てているので記帳するが、売買までは記帳していない。家のリフォームのため株を売ったときには記帳した」
「kakei+通信にあったように、家計簿は家計を管理するものと考えています。家計から投資用にお金を出金したときは費目:投資として投資窓口の銀行の口座に移したと記帳します。配当金などは投資窓口の銀行内のことなので、家計には入れていません。投資は家計とは別に、余裕資金でやるべきと考えています」
記帳していない 38%
「配当や分配金は記帳するが、売買は証券会社の口座で管理している」
「資産運用と日々の収入と支出は切り離して考えているので家計簿には記帳していない。運用実績は証券会社の口座で確認する」
「資産運用は別のノートを作っている。余裕資金で少額しているので家計とは別会計」
「少額のポイント投資なので、家計とは別の“オマケ、お楽しみ”。もし、利益が出たら、それを使う時に家計簿に収入としていれるつもりです」
「私の個人的な資産、へそくりでの運用なので、家計簿に記帳する気は無い」
「すべての口座をkakei+に登録していないから、kakei+に登録した(夫の)口座に投資関係の入出金があった場合のみ記帳しているが、いまひとつすっきりしない。夫は「投資はないものとして考えていいから(小遣いとして扱うので職業費)」と言うけれど…」
投資による損益を記帳していますか?
株式や債券、投資信託を売却すると、利益(損)が確定します。利益が出たときは売却益、損が出たときには売却損と呼びます。
売却による損益については、 「全て記帳している」14%、「一部を記帳している」21%、「記帳していない」56%という結果に。損益の記帳となると、「記帳していない」の率が増えました。
全て記帳している 14%
「売却したとき、利益確定の通知ハガキが届いたら、運用益は収入に計上する。投資元本の払戻分は口座移動で計上する」
「銀行口座から出し入れしているので、通帳と合わせたほうがスッキリする」
一部を記帳している 21%
「変動する資産は記帳せず、kakei+の口座も資産の変動の記録はしません。売買記録はExcelに記録し、配当と売買損益の1年分を12月31日にkakei+にまとめて記帳しています」
「売った金額の多い時は、家計簿に記帳する」
記帳していない 56%
「投資専用のノートに記帳して、家計には記帳しない」
「家計簿を付けるようになって日が浅く、記帳しているところとないところがあります」
「額が大きくなるので、純生活費が隠れてしまいそうで記帳はしないつもりです」
「今まで評価額に変動があったら月1回くらいで残高調整していました。でも、先日のkakei+通信を読んで、売却前なので収入ではないことに気がつきました」
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評価額が変動する資産について、どのように管理していますか?
投資による資産運用は、評価額が変動するものがあります。管理方法について、自由記述で聞きました。( )内は、投資歴です。
アプリやインターネット、報告書を活用
「証券会社のwebサイトでグラフや金額を確認している。(歴1~5年)」
「証券会社のアプリと配当管理アプリを使っている(歴11~15年)
「Yahoo!ファイナンスで自分のポートフォリオを作成(歴16~20年)」
「インターネットや銀行のアプリで増減を週一程度で確認するくらい。特に管理はしていません(歴1~5年)
「3カ月に一度、証券会社から届く報告書をよく読むようにしている(歴16~20年)」
Excelやノートを自分で作成
「家計簿とは別に、毎月末日の残高をExcelで管理している(歴16~20年)」
「以前、婦人之友に掲載されていた資産管理表をExcelで作成して、半年に一度くらい見直している(歴11~15年)」
「2003年より、資産管理表に記載している(歴11~15年)」
* 『婦人之友』2003年12月号の家計特集で「資産管理表」を紹介しています。
「夫は自分の資産をExcelの表にまとめています。私は、投資状況をプリントアウトして、お互いに見合っています(投資歴16~20年)」
「毎月、保有資産をノートで振り返り、積立投資信託の時価を記入している(歴16~20年)」
「証券会社からの報告書が届いたときノートに 書き込んでいる(歴16~20年)」
評価額との付き合い方は?
「売買しないものは損益がないので記帳しない。変動の様子は確認しています。(歴25年以上)」
「長期運用目的で保有しているため、証券会社のアプリやサイトでたまにチェックする程度。評価額も特に管理していない(歴6~10年)」
「評価額はあくまでその時の評価でしかないので、売買で損益が確定した時に紙の家計簿に残したり、証券会社から送られてきた書類を残す程度です(歴25年以上)」
「投信も株式も買った時の金額だけ把握しています。金額の変動を知りたければその株式や投信のチャートを見ればいい。(歴21~25年)」
「この方法が正しいかどうかはわかりませんが、私は含み益を含めて全体の資産状態がわかるようにしたくて、何日かごと(もしくは毎日)に証券会社のアプリでわかる現在の投資の金額を、収入・支出ではなく口座の『残高調整』でkakei+に入れています。これで含み益を含む全体の資産状態に加えて現預金額と投資額のバランスも把握する事が出来て、状況によってはリバランスをするつもりです(歴6~10年)」
「家計と投資は別管理。株式の配当金については、現役時代のボーナス感覚で家計簿に雑収入で計上している。投資は安全性を気に留めつつも日々は気にしません。毎年、年末に家計簿口座と投資口座一覧表をExcelで作成して総合計での資産の推移を把握します。投資は過去に失敗(損)もありますが貯蓄だけでは不可能な資産となり老後の安心感です。
ただし、日々は、家計簿に1円も間違いなく記帳しながら、地道に暮らしています。投資で値動きを追える知識や能力はありません。素人で安全だろうと思えるものを選んでほったらかしです。もちろんそう思えない時は処分します(歴25年以上)」
まとめ
今回のアンケートは、たくさんの人がご自身の実践を詳しく書いてくださいました。盛り沢山の内容をここまで読んでいただき、ありがとうございます。
アンケートをまとめてみて、資産運用を家計簿に「全てを記帳する派」「証券会社内で完結させて記帳しない派」、その中間の「家計に関係する時だけ記帳派」とありました。投資歴が長くなるほど、上手に家計と資産運用の線引きをして、記帳方法も確立されているようです。
気になったのは「利益が出たときに収入で計上し、損がでたときに支出に計上している」という人が数人いらっしゃいました。売却益(損)は雑収入で記帳し、利益と損を同じ費目内で差引きする記帳方法が基本的な考えです。
【kakei+通信Vol.130】でも書きましたように、家計簿は、家計を健全に運営するためのもので、収入と日々の支出を記帳すること、予算と照らし合わせて、翌日、翌月のお金の使い方の方針を見定めることが大切です。kakei+は口座の出入りを全て記帳しないと残高が合わなくなるため、家計の口座から積み立てるときなどに投資の記帳をせざるを得ないこともあります。積み立て先の口座の残高は、実際の評価額と合わなくても気にしない、評価額は証券会社の方で確認するなど、どこかで割り切る必要もあります。資産運用の管理については、ご自身がスッキリする記帳方法を、今回紹介した中から見つけていただけたら幸いです。
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「note」最新記事から
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■週末まとめ買い派も、毎日買い物派も、食費は日割り予算がおすすめ
https://note.com/kakei_plus/n/n9915fcf19f00
食料品を買いに行く時、予算を意識していますか? 週末にまとめ買いをする人、生協の宅配を利用している人、毎日お店に買いに行く人…などなど、買い物の仕方も十人十色かと思います。どんな人でも食費の予算管理をしやすいのは、実は、日割りの予算です。
■暮らしの見える化が得意な家計簿があるって本当?
https://note.com/kakei_plus/n/n300bf6821081
家計簿をつけるのは面倒くさい、ですよね。「費目分けが多いと大変」「ざっくり把握できればいい」そういう考えがあるのもわかります。家計簿をこれからはじめる人、はじめたばかりの人は記帳の習慣化と収支の把握が目先の目標ですから、「ざっくり」も全然OK。その2つが達成できた人は、これこそが家計簿の醍醐味ともいえる暮らしの見える化へと、ステップアップしませんか?
■『家計簿』と一緒に、この家事帳はぜひとも主婦の机上にはなくてならないものです
https://note.com/kakei_plus/n/nc5161c3cb10e
NHKの朝ドラ「虎に翼」、4月30日(火)の放送では、母・はるが30年間つけ続けてきた日記が決定打となって、贈収賄の疑いで逮捕されている父・直言の冤罪の可能性が浮き彫りに。画面でアップになった日記は、羽仁もと子が1907年に創案した『主婦日記』とそっくり・・・!? その日の献立や家族の様子をこまめに記録した主婦の日記をあなどるなかれ。婦人之友社から今も100年を超えて発刊しつづけている『主婦日記』や『家計簿』の記録が家族を救った話は数えきれないほどあります。
■上手につきあいたい「電子マネー」
https://note.com/kakei_plus/n/n92a664486ca6
最近、スーパーやチェーン店で独自の電子マネーの利用を勧められる機会が増えています。SuicaやICOCAなどの交通系電子マネーや、楽天Edy、WAON、nanacoなどのお馴染みの電子マネーは幅広く利用可能な「共通型」なのに対して、限られた店舗のみで使える電子マネーは「ハウス型」と呼ばれます。
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婦人之友社の雑誌から 家計に役立つ記事のご案内
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『婦人之友』2024年6月号 <発売中>
【特集】つくってみよう!放課後おやつ
自分で食べたいものができた。その楽しさを一度味わえば、料理へのハードルはぐんと下がります。子どもがつくるとき、大人は少しのサポートだけで、あとは自由な発想にお任せ。どんな“おやつ”になるでしょうか。
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【座談会】家計簿創刊120周年
暮らしも社会も家計簿で変わる!
羽仁もと子の家計簿考案から120年。社会の不安定な今こそ、その存在が見直されています。
井手英策(慶應義塾大学教授)
山崎美津江(相模友の会)
松岡育子(横浜友の会)
小林芳子(前橋友の会)
<内容詳細・ご購入はこちら>
https://www.fujinnotomo.co.jp/magazine/fujinnotomo/f202406/
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『明日の友』270号 <発売中>
【生活特集】 潤す・温める おすすめレシピ 食養生で調子よく
中医学は何億人もの体を診てきた臨床が強みの学問。
その基本的な考え方を理解して、自分の体と向き合ってみると、今までより、もっと自分のことを大事にしたくなります。
<内容詳細・ご購入はこちら>
https://www.fujinnotomo.co.jp/magazine/asunotomo/a0269/
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