今月もボーダレスマガジンをお読みくださり、ありがとうございました。編集部の峯です。
先日、視覚障がい者の方の案内のもとで、光が一切ない純度100%の暗闇の中で1945年の広島の日常を五感で体験できるダイアログ・イン・ザ・ダークの特別プログラム「PEACE IN THE DARK―1945年の広島へ―」に参加しました。
純度100%の暗闇の中で驚いたのは、自分の「感覚」がどんどん変わっていくこと。普段なら少し身構えてしまうかもしれない、誰かが肩に置く手。そのぬくもりが、暗闇では「ここにいるよ」と伝えてくれているようで、不思議なくらい安心しました。
顔も表情も見えないからこそ、声の方向やトーン、誰かの気配が鮮明になる。何も見えないはずなのに、いつも以上に人の存在を近くに感じました。そして、心に残ったのが「戦争の反対語は、対話」という言葉です。平和というと、とても大きなことのように感じます。でも、その始まりは案外、私たちの日常にあるのかもしれません。
仕事で行き交う一つのメッセージ。家族や友人、仲間との何気ない会話。黙って遠ざかるのではなく、声をかけること。相手を想像して、言葉を選ぶこと。そして、違いがあっても話すことをやめないこと。
暗闇の中で感じた声やぬくもりから、そんな「対話」の原点を教えてもらった気がします。平和は遠くにあるものではなく、今日、目の前の人とどう向き合うか。その積み重ねなのかもしれません。
それでは、また来月のボーダレスマガジンでお会いしましょう。